ロシア人はマイカーに「Z」の文字を塗り、「Z」のロゴ入りの黒いフード付きパーカを着用。「Z」をかたどった手製のブローチを襟の折り返しにつけている。
こうした現象は、ロシアのプーチン大統領とその取り組みが一定の国民的支持を獲得していることをうかがわせる。ロシア政府はウクライナの一部地域を制圧することで、影響力の及ぶ範囲を広げようとしている。

独立した研究者で以前は米ワシントンのシンクタンク、ウィルソン・センターの研究員でもあったカミル・ガレエフ氏は「当局がプロパガンダの運動を立ち上げてウクライナ侵攻に対する国民的な支持を得ようとし、現在多くを獲得している」と分析。
「わずか数日前に作り出されたこのシンボルが、新たなロシアのイデオロギー及びナショナル・アイデンティティー(国家的同一性)の象徴となった」と付け加えた。

ロシア南西部の都市カザンにあるホスピスではこのほど、がん闘病中の子どもたちなど約60人が建物の外で「Z」の文字の形に並んだ画像を撮影。ロシアの軍事行動への支持を表明した。

またロシア連邦議会下院議員のマリア・ブティナ氏は、自身のブレザーに白い文字で「Z」と書き入れる動画をソーシャルメディア上のプラットフォームに投稿した。プーチン氏を支持する政党、統一ロシアに所属するブティナ氏は、2016年米大統領選の前後に未登録の外国の代理人として米国への政治介入などを図った疑いで有罪判決を受けていた。米国への政治介入などを図った疑いで有罪判決を受けていた。

また現地ウクライナの状況を伝えるロシア国営ニュースネットワーク「ロシア24」の特派員は、「Z」の文字の入った防弾チョッキを身に着けている。

ソーシャルメディア上にはロシアの若者らが「Z」の文字をあしらった黒いTシャツなどを着てロシア国旗を振り、国家とプーチン氏を支持する歌を歌う動画も拡散している。
https://www.cnn.co.jp/world/35184571.html