東日本大震災を知らない君たちへ 子どもに教訓伝える震災教育の今
東日本大震災から間もなく11年。発生時の記憶がなかったり、生まれていなかったりする子どもが増えるなか、体験や教訓を伝えるため、どのような震災教育が必要なのかが課題になっている。県は、子どもの心にかかる負担を考えながら進める一方、教育者の中には、より具体的に伝えようとする動きもある。(宮脇稜平)
■地震や津波を描かない絵本 心の負担かけないため
幼い姉弟が初めて2人だけで乗った列車が突然、暗闇に包まれる――。
岩手県教育委員会が2月、震災教育の一環として、未就学児向けに作った絵本「てとてをつないで」は震災がテーマだが、地震や津波は描かれていない。列車がトンネルを進む場面で、被災後の不安感や避難所の暗さを表現しているだけだ。
直接的な表現を避けたのは、幼い子どもたちの心に負担をかけないようにするためだ。さらに、絵本は小学校から高校まで震災を学ぶにあたっての導入的な位置づけで、具体的な被災状況は、その過程で学ぶという考えがある。
https://www.asahi.com/sp/articles/ASQ376W1DQ31ULUC00C.html?ref=amp_login