中国・上海交通大学の研究成果が世界の注目を集めている。
学術誌「PNAS(米国科学アカデミー紀要)」で発表された論文によると、研究チームはマウスの未受精卵1つから精子を用いることなく子どもを誕生させる「単為生殖」に成功した。
自然界において同様の現象は、昆虫、両生類、ハ虫類、鳥類、またサメやエイなどの魚類で確認されている(親と子が遺伝的に完全同一のクローンとなる)が、哺乳類において(人為的に刺激して作ったものであっても)単為発生胚はすべて妊娠中期までに死亡してしまうとされていた。
しかし今回の研究では遺伝子編集技術である「CRISPR」を応用し、未受精卵を「受精した」と騙すことで細胞分裂を促し、それをマウスの子宮に着床させた。
実験には計227個の未受精卵が用いられたが、生まれたマウスは3匹。
成体になるまで生き残った子どもは1匹だったことから成功率の低さが課題というが、実際に哺乳類で単為生殖によって新たな命が誕生したインパクトは大きい。
海外メディアでは、聖書の中だけの話だった“処女懐胎”が実現する未来が見えてきたと報じているが、男が要らなくなる時代がやってくるのか?
研究の進展が気になるところだ。
https://tocana.jp/2022/03/post_231832_entry.html