単一原子レベルの量子操作速度に限界があることを実証した。
研究成果は、量子測定の最適化、
量子状態の準備、量子情報の読み取り、
量子コンピューターの高速化などに対し、重要な参考となる。
単一の超低温カルシウムイオンで構成された量子シミュレーション実験プラットフォームを用いて、量子操作速度に限界があることを実証したと明らかにした。研究では、パラメーターや条件を変えて複数回実験を行い、測定結果の比較を繰り返し、最終的に量子情報の読み取り速度が量子系のエントロピーの変化で決まることを証明した。これにより、量子精密測定技術や量子操作効率の向上に必要なエネルギー消費について、原理を説明することが可能になった。
研究では、単一のイオンで構成される量子シミュレーターが、量子非平衡熱力学の過程を正確に再現できることを示した。研究成果は国際物理学誌「Physical Review Letters」にハイライト論文として掲載され、米国物理学会は研究成果を評価する記事を発表した。
https://xtech.nikkei.com/atcl/nxt/column/18/01502/030800069/