ウクライナはNATOに失望 ロシアは態度軟化も? 着地点はどこに
ロシアによるウクライナへの攻撃が激しさを増す中、ロシアのラブロフ外相とウクライナのクレバ外相が10日、訪問先のトルコで会談した。会談の狙いは? 今後の行方は?
ウクライナが新たな条約締結案
両国は侵攻前から互いに相手を激しく非難してきた。だが、ここに来て、ウクライナ側が軟化姿勢を見せるようになった。かねて求めてきた北大西洋条約機構(NATO)加盟を一時的に断念する姿勢を示唆したのだ。ウクライナ側の失望が背景にある。
「NATOは行動しない。我々は心底理解した」。8日、英国議会でオンライン形式で演説したウクライナのゼレンスキー大統領は、NATOに求めていた「飛行禁止区域設定」や「戦闘機提供」に応じてもらえなかったことへの悔しさを率直に語った。
飛行禁止区域の設定は、ウクライナ領空に入るロシア軍機をNATOが撃墜することを意味し、NATO、とりわけ米国がロシアに宣戦布告するのに等しい。戦闘機の提供も同様だ。ウクライナへ向け、NATO加盟国から戦闘機が飛び立てば、ロシア側からすれば敵軍機となる。核大国のロシアとの全面戦争につながりかねない。
https://mainichi.jp/articles/20220311/k00/00m/030/216000c