https://news.yahoo.co.jp/articles/185231b81e8b71ec7e778f4237c23d432f4886f4
「ウチら可愛い、生きてるだけでえらい」Z世代が今“マインドギャル”に憧れる切実な理由
平成初期に一世を風靡(ふうび)した「ギャル」が、令和の時代に再ブームになっています。ギャルといえば、厚底ブーツ、ルーズソックス、こんがりした日焼けなどを思い浮かべる人も多いでしょう。
しかし令和の10代〜20代は必ずしも「ギャルっぽい見た目」になることを目指しているわけではありません。今、彼女たちが本当に憧れるのは「ギャルのマインド性」なのです。
Z世代を研究するプランニングチーム「Zs」に所属する大学生たちの生の声から、Z世代になぜ「マインドギャル」が流行しているのかを探ります。
Z世代に流行する「コスプレギャル」
「1990年代に流行ったルーズソックスがZ世代に流行っている」といったニュースが2021年からよく流れています。
私も先日ディスカウントストアに買い物に行った際、制服の定番である紺ソックスと並んでルーズソックスがずらっと並べられているのを発見。こんなに簡単に入手できるようになっているんだな、と驚きました。
TikTokで高校生らの投稿を見てみると、学校で音楽に合わせて踊っている子の中にルーズソックスを履いている子も見かけます。
「#平成ギャル」のハッシュタグをTikTok内で検索すると、つけまつ毛をバサバサにつけ、前髪をシュシュやくちばしクリップでアップヘアにし、カーディガンを腰巻にした(もちろんルーズソックスも履いている)ギャルたちの投稿が確認できます。
一方、そんな彼女たちの普段のTikTokの投稿を見ると、彼女たちは普段からギャルとして過ごしているわけではないようです。髪色もよくよく見ると金髪や茶髪ではなく黒髪ばかりなのが分かります。
彼女たちはコスプレのようないちコンテンツとして、その日だけギャルを楽しんでいたのです。
「最近の女子高生は平成ギャルの格好を真似して、ただただ街中を歩くという遊びが流行ってるらしい。TikTokを見ているとそういう投稿を目にするようになった」(Lさん・23歳女性)
「マインドギャル」になりたいZ世代
なぜ彼女たちはギャルっぽい見た目を一日限定で楽しんでいるのでしょうか?
実は、彼女たちが本当にやりたいことは、ギャルっぽい「見た目」を楽しむことではなく、内面を「ギャル化」すること。ギャル特有のノリの良さや明るいテンションでいることや、周りに振り回されずにハッキリと自分の意見を言うなどの「ギャル流のマインド」に憧れている子が増えているというのです。
内面がギャルらしい子を指して、Z世代は「マインドギャル」と呼んでいました。
「みんなギャルになりたいって言うけどギャルの見た目になりたいわけではない。ダサいものはダサいって言えたり、楽しい場面ではテンションを上げられるマインドギャルに憧れている」(Lさん・23歳女性)
ギャルは女子だけじゃない。筆頭格はYouTuber・kemio
このマインドギャルと呼ばれる存在は女の子に限らず、男の子にもいるとZ世代は言います。
「最近Twitterでマインドギャルになりたいという投稿を見た。マインドギャルは女の子だけに限らず、男の子にもいるのが特徴。男の子でもギャルのような考え方に憧れていたりする」(Sさん・21歳女性)「自分の男友達の3人くらいはマインドギャルがいる。その子たちとはインスタのDMでよく『私たち、生きてて偉い』とか『可愛い』とか励まし合ってる」(Mさん・22歳女性)
そしてZ世代がマインドギャルの象徴として挙げるのがYouTuberとして有名なkemioさんです。
彼は視聴者たちのことを「ギャルズたち」と呼び、ギャル語講座の動画も視聴者たちの間では有名です。kemioさんが作った「あげみざわ」などの言葉も中高生のトレンドワードとして流行した実績があります。
「今っぽいギャルのイメージとしてはkemioかなと思う。この人の登場によっていわゆる見た目がギャルじゃなくても心がギャルという存在ができた」(Lさん・23歳女性)「今時のギャルと言ったらkemio。動画を見て『私もこれくらい自由で生きていいんだ』と気付いて、マインドギャルが誕生するんだと思う」(Mさん・22歳女性)
「マインドギャル」になりたいと思うZ世代が増えているのは、kemioさんのように周囲には常に明るく振る舞い、自分を貫いて生きる様子に憧れる子が多いからなのでしょう。