ウクライナへの軍事侵攻をめぐり、欧米などから厳しい経済・金融制裁を科されたロシア。
そのロシアの国債が「投機的格付け」に落とされ、デフォルト=債務不履行になるのではないかという観測が強まっています。国債のデフォルトは、市場でのその国の対外的な信用力が失われることを示します。
デフォルトによって、ロシアそして世界の経済にどのような影響が及ぶのか?マーケットの警戒感が高まっています。(経済部記者 白石明大)
ロシア国債 投機的な格付けに引き下げ
ウクライナへの軍事侵攻と、欧米などによる経済・金融制裁が打ち出されたことを受けて、主要な格付け会社がロシア国債を相次いで投機的な格付けに引き下げました。
ムーディーズは下から2番目で「債務不履行かそれに近い状態」を示す「Ca」に、「フィッチ・レーティングス」も「C(デフォルトに近い状態)」にまで落としました。
国債のデフォルトとは、国債を発行する国=政府から、国債を買った金融機関などに対して、定められた期限どおりに利子の支払いや元本の返済が行われない状態のことを指します。
本来であれば、エネルギー輸出国であるロシアは、支払い能力を持っています。
しかし、ロシアはいま欧米などの制裁によって、ドルなどの外貨準備が凍結されたり、国際的な決済ネットワークから主な銀行が除外されたりしているため、外貨の確保が非常に難しくなっています。
ロシア国債 “すでにデフォルトに近い状態”か
こうした中、プーチン大統領は、対外債務を外貨ではなく自国通貨のルーブルで支払うことを認める大統領令に署名しましたが、決められた外貨での利払いや返済ができそうにないということで、すでにデフォルトに近い状態にあると見られているのです。
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