「ブラック政党ですわ」モンスター的集票マシンを支える239人の地方議員

【最大ゆ党 維新“躍進”のカラクリ】#9

 維新がモンスター的集票マシンへと変貌したことを示す数字をもう一つ挙げておこう。それは参院大阪選挙区での維新の得票状況だ。定数4の選挙区で、維新は2016年、19年の選挙でそれぞれ2議席を確保した。

■比例得票数に符合する「投票依頼」

 維新の見事な票割りの謎を解き明かす手掛かりは、産経新聞(15年11月30日付)で報じられていた。産経が報じたのは、維新の地方議員たちが展開する凄まじい組織選挙の姿だった。大阪府下と近辺選出の国会議員、府会議員、市会議員、町村会議員、総勢百数十人(当時)が、1人1日600電話、300握手、10辻立ちのノルマを課せられ、幹部による抜き打ちの巡回点検などを通じて、ノルマ達成を日々強いられていたというのだ。それは、ある所属議員が「ブラック政党ですわ」と自嘲気味にボヤくほどのものだった。

 いまや維新の地方議員は、大阪府下だけで239人にのぼる。239人の議員が1人あたり600本の電話をかければ、毎日14万本以上、衆院選の12日で総計で170万本を超える。この数字は昨年の総選挙での維新の比例得票数に、くしくも符合する。

 問題は、これだけの電話が飛び交っているのに、反維新の活動家からは維新からの電話がかかってきたという話をほとんど聞かないことだ。無差別電話などかけてはいないのだ。しっかりとした支持者名簿が整備されていることがうかがわれよう。この名簿による電話で、どの候補に投票するかの指示が出ていると考えれば、あの見事な票割りにも説明がつく。これこそモンスター的集票マシンの実態なのだ。  =つづく
https://news.yahoo.co.jp/articles/5aa40be6352a73be3768be9d61c56ab03c66633f