抵抗貫くミャンマー市民 ウクライナと共通点 「軍寄り」日本に批判も【解説委員室から】

3/12(土) 12:18配信

ロシア軍は隣国ウクライナに侵攻したが、ミャンマーでは国軍が自国民を攻撃し続けている。
これに抵抗するミャンマーの市民は、国軍との対話を一切拒否し、昨年のクーデター以来、1年以上も不服従を貫いてきた。
こうした中、日本政府は国軍との対話・関与路線を維持し、民主政権の復活を切望するミャンマーの若い世代や人権団体からは批判も出ている。
(時事通信解説委員 杉山文彦)

◇市民を殺す「悪魔」

ウクライナとミャンマーで共通するのは、民主的な政権が突然、武力攻撃を受け、市民の犠牲者が続出している点だ。

ミャンマーでは昨年2月1日未明、国軍がクーデターを決行し、ノーベル平和賞を受賞した民主化運動指導者、
アウンサンスーチー国家顧問(76)の率いる与党、国民民主連盟(NLD)の政権を倒した。
その直後から最大都市ヤンゴンなどで市民が街頭デモを展開、公務員や医療関係者も加わったストライキなどの不服従運動を続けている。

これに対し、国軍は市民らに銃口を向け、実弾を使った発砲などの暴力行為を繰り返してきた。
ミャンマーの人権団体「政治犯支援協会」(AAPP)によると、今年3月10日までの1年余の間に国軍の暴力で殺害された市民は1640人、拘束された人は1万2588人に上る。

9年前から日本に住み、東京都内で看護師をしているミャンマー人女性のレーさん(31)は
国軍は子供や何の罪もない人を殺し続けている。彼らは人間ではない。悪魔です」と怒りに声を震わせた。

https://news.yahoo.co.jp/articles/2657ef33844e8edcd1e24ed4a18b6d436294c0a3