子どもが学校で殴られ、入店拒否も ウクライナの避難者が着くドイツでロシア人に嫌がらせ

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 ロシアのウクライナ侵攻を受け、ウクライナから避難する人たちの多くが到着するドイツで、在住ロシア人への嫌がらせが相次いでいる。

一部店舗での入店拒否や学校で殴られるなどの事件が起きているが、ロシアに対する世界的な批判の高まりから、被害を受けても口を閉ざす人が多い。

 ベルリン市内で今月5日、ロシア人への差別に反対する集会を遠目に見ながら、ロシア人アレクセイさん(21)が苦々しい表情でつぶやいた。

集会には100人近くが参加し、平和と差別反対を訴えていた。

 アレクセイさん自身も3月初旬、「ロシア人だから」との理由でレストランの入店を断られた。

悔しい思いはあったが、「反ロシア」の世論が国際社会で高まる今、集会にも加わらず「黙って耐えるしかない」という。

 ドイツのロシア人団体によると、国内では約600万人がロシア語を話し、歴史的背景からも多くのロシア系住民が暮らしている。

ウクライナ侵攻が始まって以降、ロシア人経営者の雑貨店が壊されたり、子どもが学校で殴られたりする事件も起き、地方都市ではロシア人学生による美術展が「主催者側の理由」で中止になったという。


「ロシア人のみなさんは『プーチン』ではない」

 一方で、ベルリンのロシア大使館前には、ウクライナ侵攻やロシアのプーチン大統領を非難するパネルがあふれる中、「ロシア人のみなさんは『プーチン』ではない。

世界と一つになろう」と書かれた看板も。ロシア人に寄り添う姿勢も見られる。

「ロシア人はプーチンではない」と書かれた看板の横で、「侵攻とロシア人差別は別問題」と話すボンデさん

 大使館前で抗議をしていたベルリン市民ベアーテ・ボンデさん(67)は、旧ソ連の強い影響下にあった旧東ドイツの出身。

小学校ではロシア語を習い、今でも少し話せるという。

「ウクライナ侵攻には反対だが、ロシア人を差別するのは別問題。私はロシアもウクライナもどちらも身近に感じている」と話した。