ロシアによるウクライナ侵攻の影響で値上がりしているのは小麦だけではありません。駅構内でよく見かける“あのメニュー”も、価格高騰の危機に直面しています。
先週9日、政府は輸入小麦の売渡価格を発表。ウクライナ情勢による供給への懸念などが要因で過去2番目の高値となりました。小麦の価格上昇で「うどん」や「パン」への影響は避けられない状況ですが、ほかにも値上げの危機に直面している食べ物が、「そば」です。
都内の駅構内にある立ち食いそば店。“早い、安い、旨い”がモットーで駅の利用客に愛されていますが・・・
東急グルメフロント営業部 林直己マネージャー
「一番心配されるのは、やはりこの後の（そばの）価格の高騰かな。（ウクライナ情勢で）我々のような、そば業界にも影響が来るのでは」
「しぶそば」では先月、原油価格や原材料費などの高騰により、商品の9割を20円ちかく値上げしたばかり。そこへ追い打ちをかけるウクライナ情勢の悪化。特に「かき揚げそば」は、そば粉、油、小麦粉の高騰で三重苦だといいます。
東急グルメフロント営業部 林直己マネージャー
「買い付け価格が上がるっていうのは、我々にとっては死活問題になってくる。（価格改定については）かなり悩みながら慎重にすすめているところ」
実は、ロシアがそばの生産量世界1位。全体の半数近くを占めているため、ウクライナ情勢による供給不足で市場価格への影響は避けられないのです。
日本のそばの輸入量の20%を取り扱い、製粉業者などに卸す専門商社では・・・
三忠業務部 澤野仁志部長
「これがロシアのそばです。ウクライナ情勢で値段はすでに少しずつ上がっている状況」
日本では中国からの輸入がほとんどですが、ウクライナ情勢の悪化で、もともとそばをロシアから輸入していたヨーロッパ諸国が先週から取引先を中国に変更するという事態が起きているというのです。この影響で、仕入れ値が10%近く上がることも予想されるといいます。
三忠業務部 澤野仁志部長
https://news.nifty.com/article/economy/economyall/12198-1521593/
「皆で気軽に食べられる日本食なので、これ以上価格を上げたくない気持ちは当然ある。最大限努力をするが、もう抑えきれないぐらいの値上がり幅」
財布にやさしく、おなかも満たす「立ち食いそば」にも、ウクライナ情勢の影響が迫っています。
