処理水にデブリ…福島原発廃炉の現在地 脱炭素で“原発回帰”の流れも 震災から11年
東日本大震災から11年が経ちました。福島の被災者を中心に、今もなお3万8000人以上が避難生活を余儀なくされています。
大越健介キャスターが4年ぶりに福島第一原発を訪れ“廃炉の現在地”を取材しました。
今、目の前にある課題は『処理水』。東京電力はあと1年でタンクが満杯になるとしています。廃炉の妨げになるとして、政府は去年、海洋放出の方針を決めました。
汚染水は多核種除去設備『ALPS』によって浄化しますが、最後まで取り除けないのが『トリチウム』です。基準値以下なら安全性に問題はないとされますが、漁業関係者から風評被害を懸念する声は尽きません。
大越健介キャスター:「地元の方々の理解が一番大事だと思います。風評被害を気にする漁業関係者もいます。東京電力としてできる精一杯の努力はどういうことだと思いますか」
福島第一廃炉推進カンパニー、木元崇宏副所長:「ご不安の声はたくさん頂いている。ALPSがどんな装置で、どんな水になるのか、しっかり透明性を持って説明を尽くさせて頂く」
安全性は理解しても、信頼できるかは別です。4年前には、タンクの中の水の7割がトリチウム以外も基準値を超えていることが発覚し、地元の信頼を大きく損ないました。東電では、この水を新たに『処理途上水』と名付けています。
福島第一廃炉推進カンパニー、木元崇宏副所長:「以前、浄化した時に“取り切れていない水”があった。取り切れた処理水と分ける意味で、ネーミングを変えています」
計画では、処理途上水をもう一度ALPSで浄化して濃度を測定します。さらに、くみ上げた海水で基準値の40倍まで薄め、1キロ先の海の中へと放出する計画です。ただ、来年春までに地元の理解をどれだけ、どの範囲まで得るのか明らかになっていません。
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