鉄スクラップ価格続騰 1週間で1割超 警戒感強まる
https://www.japanmetal.com/news-t20220316115929.html
https://www.japanmetal.com/wordpress/wp-content/uploads/2022/03/ae46b1f460ee46f789c27b264a6cb421-1.png
鉄スクラップ価格が15日に続騰した。ロシアのウクライナ侵攻によって世界的に鋼材や半製品の供給不安が広がっている。
15日時点の日本鉄スクラップ総合価格(3地区電炉メーカー購入価格平均、H2)はトン当たり6万2600円となり、わずか1週間でトン6100円(10・8%)上昇。
中国の旺盛な鋼材需要もアジアの鉄スクラップ需給タイト化に影響した。ただ、海外では短期間で跳ね上がった相場への警戒感が高まり、
「混乱していた市場が落ち着きを取り戻しつつある」(商社)との声も聞かれ始めている。
関東 電炉価格、輸出に並ぶ
関東地区の鉄スクラップ価格が先週に続いて15日に大きく上がった。ウクライナ危機を受けて国際的に鋼材需要が高まり、韓国やベトナムからの引き合いが強まったことが背景にある。
関東電炉の買値は10日にトン3000円前後、15日に同2500円前後上がり、1週間で同5500円前後上昇した。
関東電炉メーカー購入価格(H2)の中心はトン6万1500―6万3000円前後に、湾岸価格(H2)の中心は6万2500―6万3500円前後にそれぞれ続騰した。
電炉大手の東京製鉄・宇都宮工場が15日から鉄スクラップ全品種の買値をトン2500円上げ、地区内の他の需要家もおおむね追随。
ただ、電炉側がおおむねトン2000−2500円前後上げたのに対し、輸出業者の上げ幅はトン500−1000円前後にとどまる。
関東の鉄スクラップは海外高に呼応して輸出価格が電炉買値より高い状況が続いていたが、約1週間ぶりに電炉買値が輸出価格と並んだ。
「韓国やベトナムで高値警戒感が高まり、様子見ムードが生まれている」(商社)という。
関東相場の急上昇は旺盛な外需によるところが大だったため、「今後の相場の上伸力が少し弱まるのでは」(大手ヤード筋)との声も聞かれはじめている。
いかそーす