FNNワシントン支局・中西孝介記者:
ロシアのウクライナへの軍事侵攻に対し、アメリカは対抗策を次々と打ち出しています。ウクライナに対して約1400億円の軍事支援を行ったり、1.6兆円の人道・軍事予算の確保も成立しました。さらに水面下でロシア軍の情報提供も行っています。
経済制裁も行っています。ロシアの銀行とのドル取引の停止、プーチン大統領や側近への制裁、ロシア産の原油などの輸入禁止などです。
アメリカ国民の生活に影響を及ぼすものもあり、政府は“かつてない規模の制裁”として強調しています。この強気の背景には、アメリカ世論の変化があります。
実は、ウクライナ侵攻が始まった最初の頃、アメリカ国民の関心は国内の物価の急上昇にありました。つまり、当初はウクライナに目が向いていませんでした。しかし、あまりにひどいウクライナの状況が連日報道されると、ウクライナを支援しロシアを制裁すべきだという声が一気に高まりました。
ガソリン価格の上昇を招くため、難しいと思われていたロシア産原油の輸入禁止も79%の国民が支持し、バイデン政権を後押しして実現しました。
そうした中、バイデン大統領は3月8日に行われた演説でプーチン大統領を批判し、何度も呼び捨てたんです。
バイデン大統領(3月8日):
“プーチンの戦力”に再び強力な打撃を与える
バイデン大統領(3月8日):
“プーチンの戦争”への資金提供には反対だ
バイデン大統領(3月8日):
“プーチンの侵略”に団結することが、最大の関心事だ
バイデン大統領(3月8日):
“プーチンの値上げ(インフレ)”を最小限に抑える
バイデン大統領(3月8日):
平和と安定への“プーチンの暴力”に対応する
FNNワシントン支局・中西孝介記者:
演説は10分ほどだったにもかかわらず、その中で21回もプーチン大統領を呼び捨てにして批判しました。つまり、30秒に1回「プーチン」と呼び捨てにしたことになります。「プーチンの戦力」「プーチンの戦争」「プーチンの侵略」「プーチンの暴力」と、この戦争の責任が“プーチンにある”ということを印象づけたのです。
こうした姿勢も影響して、バイデン大統領の支持率は今上昇しています。
https://news.yahoo.co.jp/articles/4b10ac2cf57c1ed028e15ddb7b3fd74908ee9d68