連合としても非正規雇用の問題にはずっと以前から取り組んできた。しかし、いまだに非正規雇用で働く方々にとってハードルが高いと見られていることもわかっている。

 コロナ禍で非正規雇用や女性の問題が注目されているが、コロナ禍によって始まったことではなく、これまで見過ごしていた問題がより浮き彫りになったのだと思う。連合としても非正規雇用やフリーランスの問題をしっかり受けとめなければならないと考えている。

対面の小集会
 古賀伸明元会長の時代に、全国各地に出向き、非正規雇用で働く方との対話集会を開いたことがある。今はコロナ禍があるために難しいが、やはりリモートだけでは伝わらない。小規模であっても非正規雇用の方も含めて直接会う集会を開けないか検討している。

 またフリーランスで働く仲間に向けて、「Wor-Q(ワーク)」という、組合員ではない「連合ネットワーク会員」の仕組みも作っている。フリーランスで働く仲間が加入できる「Wor-Q共済」もある。緩やかなところから始めて、ゆくゆくは組合への組織化につなげる取り組みもしている。

 待ちの姿勢ではなく、こちらから具体的にアプローチをかけていきたい。非正規雇用の問題は労働条件の問題でもあるので、最低賃金の問題などもふくめて、連合として全国的に取り組んでいく。

ジェンダーの視点も
 男女の賃金格差などジェンダーの問題も重く受けとめている。私が会長に就任したのも連合がジェンダー平等の視点をしっかり取り入れるという意味がある。

 非正規雇用の問題と異なり、ひとり親家庭やシングルマザーの問題などは労働組合だけでどこまで具体的な活動ができるかは難しい点もある。労働者福祉中央協議会などとも協議しながら、知恵を絞りたい。



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