「働かずに稼ぎたい」と4県で窃盗行脚、保釈中に福祉の仕事で弁償の意向…猶予判決に
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 滋賀県内や富山、奈良県などで空き巣に入るなどし、窃盗罪などに問われた野洲市の大国誠被告(32)に対し、地裁(高橋孝治裁判官)は16日、懲役3年、執行猶予5年(求刑・懲役4年)の有罪判決を言い渡した。

 判決によると、大国被告は2020年2月から21年8月までの間、近畿、北陸などの4県で民家や倉庫など6か所に侵入し、現金約100万円と指輪など53点を盗んだ。6件の被害総額は推計で430万円程度。


 高橋裁判官は「身勝手な動機に酌量の余地はない」と指摘する一方で、保釈中に福祉関係の仕事に就き、被害者に弁償する意向を示したことなどを考慮し「執行を猶予するのが相当」と結論づけた。

 県警は捜査で、大国被告が19年12月から21年10月までの間、10府県で71件の盗みを繰り返したことを裏付けている。

 公判などで、大国被告は職を転々とした後に無職となり、「働かずにお金を稼ぎたい」と窃盗に走った動機が明らかになった。
同居の両親に悟られないよう「1、2か月ほど出張に行ってくる」と説明。実家近くの山に張ったテントで野宿し、窃盗行脚の拠点にしていたという。

 移動手段は電車で、夜間に窓ガラスを割るなどして侵入する手口。盗品はテントに保管し、数がまとまった段階で貴金属買い取り店に売っていたという。