いまから12年前の2010年(平成22年)3月18日は、プレイステーション3用の地上デジタルレコーダーキットtorne(トルネ)が発売された日。
希望小売価格は9980円だった。

 torneはプレイステーション3やプレイステーション4などでテレビ視聴が楽しめるアプリの名称。
当初はプレイステーション3専用で地デジチューナーが付属したキットとして発売し、2011年12月22日の時点で累計売上100万台を達成する大ヒットを記録。
地デジ対応機器がまだまだ普及途上だったことも、torneの人気に拍車をかけていた。
PSP(プレイステーション・ポータブル)にビデオを書き出して外で視聴するといったことも可能で、筆者は当時はかなり重宝した記憶がある。

 地上、BS、110度CSのデジタルチューナーを内蔵したネットワークレコーダー&メディアストレージのnasne(ナスネ)の登場後は、torneのアプリ単体での配信も開始。
以降はnasneとの連携が前提となり、プレイステーション Vita、プレイステーション4、スマートフォンにも対応してアプリが配信されている。
ネットワークを介せば、書き出す手間をかけずとも別の場所でテレビやビデオの視聴ができるようにもなった。

 torne最大の魅力は、サクサクと軽快なユーザーインターフェースの操作感。
とくに番組表(EPG)の表示は爆速で日付を変えても瞬時に表示可能だったため、まったくストレスを感じずに利用することができた。
当時は家庭用レコーダーのフラッグシップモデルですら番組表は表示にかなりの読み込み時間が必要だったこともあり、これは革命的と言っても過言ではなかった。
トップの専用機器であるレコーダーがなしえないことを、ゲーム機がやすやすとやってのけたのは、ゲームファンとしてはなかなかに痛快な出来事でもあった。

 トルミル情報もおもしろい試みで、オンラインに接続しているユーザーが録画予約した番組を“トル数”で、リアルタイムで視聴している番組を“ミル数”で表示してくれる。
ランキングを見れば、新たな番組探しにも役立つ。加えて、マスコットキャラであるトルネフが、注目番組をひと言添えてピックアップしてくれたり、独自のアンケートを見たりといったとも可能だ。

 視聴機能としてライブ感あふれるのが、ニコニコ実況との連携。
ユーザーが投稿したコメントを、ニコニコ動画のように画面に流してくれるため、注目番組ではめちゃくちゃ盛り上がる。
いまでもスポーツ観戦や『天空の城ラピュタ』のバルスのシーンなどは画面がコメントで埋め尽くされるくらいの盛況ぶりだ。
筆者は実況なしでは番組を見られない体になってしまっているくらい毎日利用しているので、マイナー番組でも実況が盛り上がってくれることをつねづね願っている。
以前はツイッターとも連携していたのだが、残念ながら現在はサービス停止中だ。

https://s.famitsu.com/news/202203/18254735.html
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