二人の難民、ともにポーランドの国境に。しかし、世界は離れている。
https://www.nytimes.com/2022/03/14/world/europe/ukraine-refugees-poland-belarus.html
スーダンの戦争から逃れてきた青年と ウクライナから避難してきた若い女性が 同じ時期にポーランドに渡りました。二人は全く異なる経験をした。
ポーランド、クズニカ -
ウクライナで戦争が勃発した日、スーダンからの難民である22歳のアルバギールは、
ポーランドの玄関口にある凍った森の床に横たわって、生きるために努力していました。
ポーランドの国境警備隊が派遣したドローンが彼を探していた。ヘリコプターも。
夜で、氷点下の気温で、いたるところに雪が積もっていた。医学部入学前の学生であるアルバギールは、アフリカからの難民の小さな一団とともに、
ポケットの中の最後の数個のしなびたナツメヤシまで、ポーランドに忍び込もうとしていたのです。
「私たちは希望を失いつつあったのです」と彼は言った。
その同じ夜、オデッサ近郊の小さな町で、カティア・マスロヴァ（21）はスーツケースとアニメーションの仕事で使っているタブレットを手に、
家族とともにワインレッドのトヨタRav 4に飛び乗った。
大人8人と子供5人を乗せた4台の車列で、戦争で荒廃したウクライナから逃れようとする人々の必死の脱出の一端を担ったのです。
「その時点では、自分たちがどこに行くのかわかりませんでした」と彼女は言います。
その後2週間、同じ時期に同じ国に渡った、同じ年頃の2人の難民に起こったことは、これ以上ないほど対照的であった。
アルバギールは顔を殴られ、人種差別の言葉を浴びせられ、国境警備員に預けられたが、彼は残酷に殴り、それを楽しんでいるようだったとアルバギールは言う。
カーチャは毎日、聖人と呼ばれる男のおかげで、冷蔵庫の中身と食卓に並んだ焼きたてのパンを見て目を覚まします。
二人の異なる経験が、欧州の難民危機の不平等を浮き彫りにしている。
彼らは、地政学的に全く異なる2つの出来事の犠牲者でありながら、戦争の惨禍から逃れるという同じ使命を追っているのです。
ウクライナがここ数十年で最大の難民の急増をヨーロッパにもたらす一方で、中東やアフリカでは多くの紛争が燃え続けている。
どの戦争から逃れてきたかによって、歓迎のされ方は大きく異なる。
マスロヴァさんのようなウクライナ難民は、ポーランドに渡った瞬間から、ピアノの生演奏、底なしに出てくるボルシチ、そして多くの場合、暖かいベッドでもてなされる。
そして、それはほんの始まりに過ぎない。
ハンガリーのウィズ・エアに乗れば、ヨーロッパ全土を無料で旅行することができる。ドイツでは、ウクライナの旗を振って駅に列をなす群衆がいる。
そして、EU諸国はすべて、その多くがウクライナ人と血のつながりがあるため、最長で3年間の滞在を認めている。
ポーランドの片田舎、一歩も外に出ることができないほど危険な隠れ家のテレビでこれらすべてを見たアルバギールは、
不法に国境を越えたため姓を伏せるように頼んだが、ほとんどショック状態だったという。
「なぜ、このような思いやりと愛がないのだろう。なぜなんだ？「ウクライナ人は私たちよりも優れているのだろうか？わからない。なぜだ？
《中略》
人権保護団体によると、ここ数カ月で少なくとも19人がポーランドに入国しようとして、ポーランドの国境警備隊に押し戻され凍死しているそうです。
ポーランド当局は、自分たちのせいではないと主張した。
国境警備隊の広報担当者、カタジナ・ズダノビッチ氏は「ベラルーシ人のせいだ」と述べた。
「彼らはこの人たちを指示しているのです」。
ポーランド人警備隊員は、アルバギルさん一行に「行け！行け！」と叫び、銃を突きつけて、森の中の孤立した場所にある鉄条網に向かって押し出した
とアルバギルさんは言った。
アルバギルさんによると、警備隊員は1人をフェンスに激しく投げつけ、手を切り裂いたという。彼は指の間を切り裂かれた跡があった。
数時間後、食料も水もなく、移動手段もなくさまよった末、ベラルーシの国境事務所にたどり着き、警備員に中に入れてくれるよう懇願した。
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