《花畑牧場ストライキ騒動が和解》「申し訳ありませんでした」田中義剛社長(64)がジーパン姿で深々と頭を下げて… 損害賠償請求や刑事告訴も取り下げへ | 文春オンライン
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タレントの田中義剛氏(64)が社長を務める花畑牧場で1月から続いていたベトナム人従業員との労使紛争が、3月18日に和解したことが文春オンラインの取材でわかった。

ことの発端は、ベトナム人従業員らの給料から毎月7000円天引きされていた「水道光熱費」が告知も交渉もなしに昨年10月から徐々に増額されたことだった。今年1月には元の倍以上の1万5000円に引き上げられ、危機感を感じたベトナム人従業員たち約40名は「水道光熱費」の増額について説明を求めた。しかし花畑牧場側からは満足のいく回答が得られず、約120人いるベトナム人従業員のうち40人ほどが、1月26日にストライキを実行した。

それに対して花畑牧場は、ストライキを主導したとしてリーダー格とされたベトナム人女性従業員2人と男性従業員1人(当初は4人)に2月18日に計200万円の損害賠償を請求し、3月9日には同じ3人の従業員に対して名誉棄損、信用棄損の罪で刑事告訴していた。

しかし3日18日の13時頃に、札幌市内にある花畑牧場の代理人弁護士事務所を田中氏が訪れ、ベトナム人従業員側の代理人を務める札幌地域労組の鈴木一副委員長との話し合いが実現した。

田中氏はトレードマークのジーパン姿で事務所に現れ、真剣な表情で非を認めたという。立ち上がると、ベトナム人元従業員3人に行った行為に対して「この度は不適切な対応があり、申し訳ありませんでした」と、深々と頭を下げたという。

さらにその席で、田中氏はベトナム人労働者3名への損害賠償請求と刑事告訴を取り下げることを約束し、これまで3人との労働契約は3月15日で満了したと主張していたが、本来の契約期間である10月までの給料も解決金として支払う意向を伝えた。

「文春オンライン」取材班が入手した花畑牧場と札幌地域労働組合が妥結した和解協定書には、ベトナム人従業員側の希望が全面的に取り入れられ、以下のような取り決めがなされている。


「会社は、雇用するベトナム人労働者に対する、水道光熱費の値上げから始まる一連の対応が不適切であったことを認め、ベトナム人労働者に対し謝罪する」

「会社は、ベトナム人労働者が行ったストライキへの200万円の損害賠償請求、および組合員3人への刑事告訴について、理由がないことを認め、これを取り下げる」

「会社は、本件紛争の解決金として●●●●、●●●●および●●●●に対し以下の金員を支払う」※伏字は元従業員3人の名前

「会社は、自社のホームページのトップ画面に、ベトナム人労働者に対する一連の不適切行為への謝罪文を1週間掲載する」

話し合いに同席した札幌地域労組の鈴木副委員長は、文春オンラインの取材にこう答えた。

「田中社長は潔く『申し訳ありませんでした。これからも相談に乗ってください』と、誠実に謝罪をされました。ベトナム人従業員の3人が求めていたほかの要求もほぼ認められ、和解成立となりました。和解を伝えたら、飛び上がるように喜んでいました。3人は日本を気に入っていて、今後も日本で仕事をしてベトナムの両親に仕送りをしたいと思っています。就職活動も始める予定だそうです」

日本を夢見てベトナムからやってきた3人の訴えが認められる形で騒動は決着した。花畑牧場は「外国人労働者に対する不適切な対応を真摯に反省し、再発防止に努める」という。