「Chim↑Pom展:ハッピースプリング」が森美術館でついに開幕! 独自の方法で社会に介入してきた17年の軌跡とは
https://www.tokyoartbeat.com/articles/-/chim-pom-happyspring
森美術館館長の片岡真実は、記者会見で本展について以下のように説明する。
「森美術館はこれまで日本及びアジアの中堅作家の活動を網羅的に見せる個展を開催してきており、本展もその一環です。Chim↑Pomはその体当たりな方法が時に物議を醸してきたが、本展ではそういった面も改めて展示で見せる工夫をしている。コロナ禍などを経て様々な分断が浮き彫りになったこの時期に本展を開催するのは、まさに時機を得たもの。ひとつ劇薬のような作品もあるが、Chim↑Pomが目指しているものを皆さんにお伝えできればと考えています」。
近藤はChim↑Pomについて「卓越したアイデアをもとにそれを実行・実現する行動力や、ユーモアや皮肉を含めたメッセージ力を持ち、アートシーンで独自のポジションにある」と紹介。東日本大震災以降、社会的な活動を行うアーティストが増えたという文脈や、近年は国際的な活躍が目覚ましいという点でも、本展開催は的確なタイミングだと説明した。
東京や広島、東日本大震災の被災地などを舞台に、Chim↑Pomがアーティストとして行ってきた社会への介入。それは、予期せぬかたちで人々の前に現れ、賞賛とともに困惑や軋轢を生み出したこともあった。ときに全力の悪ふざけのような過激さでもって意図的に既成概念や社会構造に挑戦してきたChim↑Pomが、大企業が管理運営する国内有数の美術館で個展を行うとなれば、そのプロセスにおいて両者に様々な折衝があったことは想像に難くない。だからこそ、本展がどのような実践の場として立ち現れるのか、多くの人々が開幕を心待ちにしていることも事実だろう。内覧会に参加するプレスの数の多さからも、Chim↑Pomへの社会的な関心の高さが感じられた。