「グラウンドに挨拶はしなくていい」日本一の少年野球チームが廃止した"野球界の謎慣習"
2022/03/16 11:00
https://president.jp/articles/-/55484
(ソースより抜粋)
全国大会で優勝経験もある滋賀県の「多賀少年野球クラブ」では、「世界一楽しく! 世界一強く!」という方針を掲げている。
そのため、たとえば「グラウンドに挨拶する」という少年野球の習慣を廃止した。どんな狙いがあったのか。
お笑いコンビ「トータルテンボス」の藤田憲右さんが、監督の辻正人さんに聞いた――。
【藤田】イタリアで野球の影響を受けてきたんですか?
【辻】そうなんです。なぜかイタリアで(笑)。イタリアはサッカー王国ですから野球ってマイナー競技なんです。
だから試合ももちろん僕らが勝ったんですけど、でも彼らは負けているのにとても楽しそうに野球をやっていたんです。
試合後に我々のところにニコニコしながらやってきて、子ども達のグローブやら帽子やらを「ちょっと見せてー」と興味津々で、子ども同士すぐに打ち解けて仲良くなって。
あとはお国柄なんでしょうけど、試合開始時刻になってもまだグラウンドにラインが引かれていなかったり、審判も来ていなかったりとか(笑)。でも誰もピリピリしていない。もう本当に大らかで。
1週間もそんな感じのイタリアで過ごしましたから「イタリアの野球と日本の野球、どっちが本当の野球なんやろう?」っていろいろと考えたんです。
【藤田】日本の学童野球では「野球を通じた教育」みたいなことがよく言われますもんね。
【辻】時間やマナーを守ることとか、僕らが野球で当たり前に言っていることを向こうは全く教育していないんです。
そんなことよりも野球が始まったら野球を楽しむ、遊びと同じように野球を楽しむ。そっちを大切にしているんです。
【藤田】僕は辻さんの「グラウンドに挨拶はしない」という話が好きなんですよね(笑)。
【辻】だってね、なんでグラウンドにだけ挨拶をするんですか? それだったらベンチにも挨拶して、トイレにも挨拶して、
グローブにも、ベースにも、バッティングマシンにも挨拶をして、もうありとあらゆるものに挨拶をしないとダメでしょ? だからやってないんです。
野球が好きで、野球をするのが楽しくて楽しくてたまらない。グラウンドを、そんな子達がワクワクするような場所にしたいんです。
だからそこに礼儀とかマナーとか、そういうものを持ち込む必要はないんです。