露の侵略で想起する中華人民共和国の成立

侵略を行うにあたって、それを正当化するために、歴史と民族の共通性を利用するやり方として、直ちに思い浮かぶのは、中華人民共和国の場合である。
中国の民族概念は二重構造になっていて、中国には56の民族が存在すると一応言うのであるが、これは下位の民族概念で、これらのすべてを統合する上位の民族概念として、「中華民族」が存在する。

習近平国家主席がしきりに唱える、「中華民族の偉大な復興」の中華民族である。つまり中華民族として「単一民族国家」であり、したがって個々の民族の独立は、絶対に許されないわけである。

そのために下位の民族をことさらに「〜族」と言って、「〜人」とは言わない。一般に族と言ったら、民族のレベルには至らない部族段階の人間集団をさす言葉である。
つまり立派な差別用語である。これは極めて重大な問題であるので、私はこの欄で以前に何回か言及したことがある。しかし理解されるには、いたっていないようだ。

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https://www.sankei.com/article/20220320-W7GRQWYMVFLSHL3A57PAML6EPU/