「アンネの日記」で知られるアンネ・フランクさん一家の居場所をナチス・ドイツに密告した人物を特定したとして注目された書籍が、出版社によって販売中止となった。調査内容に信頼性がないと指摘されたため。

ユダヤ系のアンネさんは第2次世界大戦中、ナチスから逃れて2年もの間、オランダ・アムステルダムの隠れ家で生活していた。しかし1945年、15歳の時にナチスに見つかり、ドイツのベルゲン・ベルゼン強制収容所で病死した。

潜伏生活の様子をつづった日記は「アンネの日記」の題で死後発表され、戦時中のユダヤ人の生活を知る一次史料として世界的に有名となった。

今年1月、書籍「アンネ・フランクの裏切り:未解決事件捜査」が出版され、アムステルダム在住のユダヤ人、アーノルト・ファン・デン・ベルフという人物が、自分の家族を守るためにフランク一家をナチスに「渡した」可能性があるとされた。著者は、カナダのローズマリー・サリヴァン氏。

https://www.bbc.com/japanese/60843729