頭蓋骨のサイズと形から、人の性格から知的能力まで解明しようとした「骨相学」は、奴隷制や植民地化を正当化する優生学との親和性も高いこともあり、現在では似非科学として完全に廃れてしまった。
だが今回、なんと、“顔の形が性欲と関係している”ことが研究で明らかになったというのだ!

 様々な分野の知的発見を提供するウェブサイト「Big Think」(9月26日付)によると、実は人体の特徴と性格や行動パターンを関係づける研究は現在でも地道に行われているという。
たとえば、昨年10月にイギリスで行われた調査では、「薬指が人差し指より長い人は胎内で受けたテストステロンの影響が強く、男女に拘らず、性的にふしだらな傾向」にあり、「人差し指が薬指より長い人は、比較的1人のパートナーに一途である」ことが判明しているそうだ。
そして、今回ご紹介するのも、顔のサイズや形と、行動、態度、性格の相関を研究する顔面形態学(facial morphology)という、より骨相学的な分野での研究成果である。

 カナダ・ニピッシング大学の心理学者スティーブン・アーノキー準教授らが、科学雑誌「Archives of Sexual Behavior」に掲載した論文によると、テストステロンが顔の形成に影響を与え、それが性欲の強さにも関与していることが明らかになったという。

研究者らは、男女ほぼ半々の148人の学生の写真から、顔面の“横幅”の相対的な大きさを計算する「fWHR」(顔の幅を眉下から上唇までの高さで割った比率)を算出。
fWHRの比率が大きいほど、顔の横幅が相対的に大きい(顔が四角い)ことを意味する。

 そして、被験者らに回答してもらった性生活と性欲に関するアンケート調査と、それぞれのfWHRの比率を突き合わせたところ、男女関係なく、fWHRの比率が高い(相対的に顔の横幅が大きい)ほど、性欲も強い傾向にあることが分かった。

 314人の学生を対象にした2度目の調査でも、fWHRの比率が高い男性ほど、カジュアルな性交におおらかな傾向があることが判明(女性の場合は有意な差は無かった)。
この結果は、男性におけるfWHRの比率と浮気のしやすさに相関関係があることを指摘した先行研究とも整合性があるとのことだ。

 ということは、顔の形はその人の性欲や性行動を予測するヒントとなるのだろうか? 
アーノキー準教授の答えはYESである。

「顔面の特徴が人の性衝動に関する重要な情報を示している可能性が明らかになりました」(アーノキー準教授)

 今回の研究では、被験者が大学生に限られており、コーカソイドの学生のみを対象とし(1回目の実験)、宗教や文化的背景も考慮に入れていなかったため、今後のさらなる研究は必須であるが、1つの参考にはなるだろう。

 また、テストステロンの影響が強く、fWHRの比率が高い男性は、リーダーシップや優位性に優れ、“男らしく”見えるため、比較的女性にモテるとも言われている。
「Asagei plus」(2015年6月16日付)によると、芸能界でモテまくってる手越祐也のfWHR比率も平均(1.6〜1.8倍)より高いそうだ。
興味のある読者は、好みの芸能人や自身のパートナーのfWHR比を算出してみては如何だろうか? 
意外な事実が明らかになるかもしれない。

https://tocana.jp/2022/03/post_232841_entry.html
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