翌1965年、日韓基本条約を締結して日本から多額の支援を得た韓国政府は、ミカン増殖事業を開始した。

 日本の資金が投入された済州島は日本品種を栽培し、70年代前半には済州島農家の91%が柑橘類を栽培するまでに成長した。

 済州島のミカンは90%以上が日本品種で、なかでも「ハンラボン(漢拏峰)」は済州島を代表する名産となっている。

「ハンラボン(漢拏峰)」はデコポンの名で知られるシラヌイで、済州島最高峰のハンラサン(漢拏山)にちなんで名付けられた無断栽培の日本品種である。

 日本品種を次々と無断栽培してきた済州島は、新品種の「みはや」と「あすみ」に手を出した。

 デコポンは国際条約による品種登録期限を過ぎていたが、「みはや」と「あすみ」は2012年3月の登録品種だ。

 日本は登録を出願し、2018年1月に韓国国立種子院から品種臨時保護権が認められた。保護登録は臨時保護権の2年後に完了する。