ロシアによるウクライナ侵攻が始まって1か月が経過した。ロシアのプーチン大統領(69才)は「作戦は計画通り」と繰り返すが、その胸中は穏やかではないだろう。実際はウクライナに苦戦中だ。この状況に、プーチン氏の精神状態に異変が起きているとする情報もある。自衛隊元陸将の福山隆さんが言う。

「プーチン氏はウクライナ侵攻が思うように進まず、追い詰められています。いまのプーチン氏なら何をしてもおかしくはない。合理的な判断ができない状態となれば、あらゆるリスクを想定しておかねばなりません。すでに日本政府は、わが国に戦火が及ぶという最悪のシナリオへの準備を始めている可能性がある」

 福山さんの言うように最悪を想定するなら、近日中にもプーチン氏による暴挙は始まるかもしれない。

「少数精鋭のロシア兵を道北から上陸させ、まずは日本海側にもオホーツク海側にも道路がつながる音威子府のような要衝を占拠するでしょう。その北海道の北部を拠点に圧力をかけることが考えられます」(福山さん)

(中略)

 だが、日本にはアメリカとの日米同盟がある。有事の際は日本に駐留するアメリカ軍が敵国から守る条約だ。しかし、そんな最後の砦さえも砂上の楼閣なのかもしれない。

 現にウクライナは1994年、当時世界3位の規模を誇った核兵器を放棄する代わりに領土の安全が保障される「ブダペスト覚書」を、アメリカ、イギリス、ロシアなどと締結した。しかし今回、そのアメリカはウクライナへの軍派遣を「世界大戦になる」との理由で実行していない。

「日本がロシアに攻め込まれたとしても、残念ながらアメリカはかかわってこない可能性もあるでしょう。ウクライナ侵攻を阻止できなかったアメリカのバイデン大統領が、日米同盟だけは遵守するということも考えにくい。いまの状況が悪い前例となり、ロシアにとっては日本侵攻のハードルが低くなったといえます」(中村さん)

 最悪のシナリオは動き始めている。

https://news.yahoo.co.jp/articles/1748a393a102d2fec9d1f915524c4aba16b998ba