オシャレ家電の代名詞、バルミューダのスマホがSNSで大酷評。それでも想定以上の売上の理由とは?=シバタナオキ

■バルミューダの決算
2021年12月期 決算説明会(2022年2月10日)資料からBALUMUDA Phoneの数字を紐解いていきます。

2021年Q4
売上:72.9億円(YoY+62%)
営業利益:10.8億円(YoY+37%)

次にBALUMUDA Phoneはどれだけ売れたのか、バルミューダのブランドに対してどう影響したのか、またBALUMUDA Phoneは本当に失敗だったのかを
決算数字を元に5つの観点から検証していきます。

■観点#1: 実は期初予想を上回る売れ行き
BALUMUDA Phoneは、発売前の段階で策定した期初の予想売上27億円に対して、28.4億円と予想を上回っています。
また、売上に占める構成比としても期初予想の14.9%に対して、15.5%と上回っており、携帯端末関連事業としての初速は成功しているように見えます。

売上台数は、売上(28.4億)を販売価格(10.4万円)で割り、2万7,000台と推測できます。発売日が11月末であることを考えると実質1ヶ月の販売台数となります。

MM総研が公表した21年度上期(21年4〜9月)のスマホ出荷台数は1,472万台で、月の平均出荷台数は245万台となります。
BALUMUDA Phoneの出荷台数は全体の1.1%であり、大衆向けの製品で無いことが分かります。

■観点#2: 40%前後の高い売上総利益率を維持
バルミューダ全体の売上総利益率は、コロナによる世界的なサプライチェーンの混乱や半導体不足、円安の影響があり、やや悪化はしているものの、
製造業としては非常に高い売上総利益を維持してます。

BALUMUDA Phoneが売上の15.5%を占めていることを考慮すると、BALUMUDA Phoneもバルミューダ社の利益の中で、
大きな利益幅を(少なくとも初期では)作っていることが推測できます。

■まとめ
この記事では、ネット界隈で言われるように「BALMUDA Phoneは本当に失敗だったのか?」を決算説明会資料の数字を元に整理してきました。ポイントをまとめます。

・BALMUDA Phoneは当初予想を上回る売上となっており、バルミューダの携帯端末関連事業は初速では成功している
・販売台数の8割をソフトバンクが販売していると推測される
・ソフトバンクの販売数が伸び悩んでおり、来期の売上予想は初年度から61.9%下回った数字で設定している

BALMUDA Phoneの初速の売上は予想を上回ったことは確かです。
しかし、他のバルミューダ製品は原材料高騰の影響で初の値上げを行うことを決定しているにも関わらず、BALMUDA Phoneは発売後半年を待たずに値下げを決行。

来期の売上は今期の4分の1程度になる予想を出しているなど、赤字こそ出してはいないのかもしれませんが、成功か失敗かを現時点で判断するのは難しいと言わざるを得ません。
この結論がどうなるか、引き続き追っていきたいと思います。

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