サイトー「俺はやられる。ライフルを腰だめに構え、瞬きすらしないその身のこなしから、彼女が全身義体のサイボーグだとすぐに理解した。そしてその手にあるライフルはフルセンシングのセミオート。当然射撃制御ソフトは長中短距離をフルインストール。」
サイトー「試しに俺はイメージの中で1発、少佐に向けて発射した。少佐に初弾を撃ち落とされ、ボルトアクションの俺は、柱に身を隠す間に2発目を食らう。それは、何度シミュレーションしても同じだった。」
タチコマ2「でもでも、そのままでは・・・」
サイトー「ああ。このままではいずれ殺られる。俺はこの状況からどうすれば逆転出来るのかを必死で考えた。そしてある物に気付いた。それは、最初に少佐が撃ったジャミング装置だった。」
サイトー「少佐は何故最初に3発も使ってこいつを壊したのか?待てよ、もしかして奴は中距離射撃の制御ソフトはインストールしていない?いや、そうに違いない。奴はスナイパーのポジションにありながら、フルセンシングのライフルをショートバレルにしていた。それは、中距離時、サブマシンガンの代用とする事を前提にしている為だ。」
サイトー「なら、俺と此処でスナイピングする為には、制御ソフトが要る!奴は今制御ソフトを、衛星からダウンロードしている最中か!?間に合え!」

草薙素子「貴様、いい腕をしているな。今から私の部下になれ。」
サイトー「あんた、初めっから・・・」