円急落で日本当局の口先介入観測高まる、通貨下支えで別の選択も

ブルームバーグ): 1カ月にわたる円安基調が3月に加速の一途をたどる中で、通貨当局が円の下支えで行動もしくは口先介入する可能性が話題になっているが、円安を実は歓迎する向きが日本にいるかもしれない。

日本の通貨当局がドル売り・円買いに直接踏み込むまでには至らなくとも、低迷する円相場を浮揚させるために利用できる選択肢はある。ジェフリーズのストラテジスト、ブラッド・ベクテル氏によれば、一段と円安が進行すれば、日本銀行の口先介入を誘発する可能性があるが、インフレが見られないため通貨安はあまり問題ではない上、輸出業者を支える可能性もある。マッコーリー・フューチャーズのティエリー・ウィズマン氏は、日銀が円相場防衛のため、長短金利操作を行う指標国債利回りの上限を引き上げると予想する。

ウィズマン氏はブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、「確かにもっとインフレが必要だが、ドル円のボラティリティー上昇によって市場にもたらされる不確実性は不要だ」と述べた。

財務省・日銀は円相場にいずれかの方向への圧力がかかる場合には介入する用意があることで知られる。日銀による為替介入は2011年の東日本大震災後が最後。榊原英資元財務官は28日、ロイターとのインタビューで、1ドル=130円を超える円安となれば、日銀は再び介入が必要になるとの認識を示した。

円は最近の急落で対ドルでの月間下落率が7%に達した。28日は一時2.3%安の125円9銭と、約7年ぶり安値を付ける場面もあった。

ドイツ銀行の為替調査グローバル責任者のジョージ・サラベロス氏は「為替市場は日本とそれ以外の国の政策乖離(かいり)拡大を織り込みつつあるが、金利市場はそれがどれだけ持続するか疑問視し始めている」と指摘。「日本は長期化する円相場の行き過ぎを容認しデフレ脱却にようやく『成功する』か、あるいは日銀がそれを『中断させ』、昨年のオーストラリア準備銀行のようにイールドカーブ・コントロール(YCC、長短金利操作)を断念する必要に迫られるかのいずれかだ」と述べた。

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