すし・ラーメンに異変 ウクライナ侵攻の余波で代替品探しが加速!?【WBS】
ロシアによるウクライナ侵攻は、景気の先行きにも暗い影を落としています。政府は、今月の月例経済報告で、景気の全体判断は据え置いたものの、「原材料価格の上昇、供給面での制約などによる下振れリスクに十分注意する必要がある」と警戒感を示しました。そうした価格の高騰や、供給面での不安が広がるなか、飲食店などでは手に入れやすい代替品を探る動きが広がっています。
回転寿司チェーン「すし銚子丸」で、マグロの次に人気なのがノルウェー産サーモンです。ところがウクライナ情勢の関係で、3月8日からノルウェー産サーモンが提供できなくなりました。ロシアが領空の飛行を禁止したため、航空便が上空を飛べなくなり、一時空輸ができなくなったのです。
その間、ノルウェー産サーモンの代替品として急遽仕入れたのが宮城県産の銀鮭です。ノルウェー産に比べ色が濃く、脂が少ないのが特徴です。それでも客からのノルウェー産への人気が根強いこともあり、銚子丸はロシア上空を迂回するルートを何とか確保。19日に販売を再開しました。
ただ、迂回したことで輸送コストが膨らみ、ひと皿60円ほど値上げしています。現在はノルウェー産、宮城県産の2種類を提供していますが、今後については?
「再開するのがやっとなので、先の見通しも分からない。状況ですから、先の対策まではまだいっていない」(「銚子丸」経営戦略室の下公祐二さん)
先行き不透明なサーモン不足で、国産サーモンの争奪戦が起きつつあります。長野県のブランド魚「信州サーモン」はニジマストとブラウントラウトを掛け合わせて作られた品種で、肉厚できめが細かいのが特徴です。
この養殖場ではアルプスの湧き水を使い、年間およそ30トン生産しています。これまで主に長野県内の旅館や飲食店に販売してきましたが、今月に入り県外の卸業者からの問い合わせが増えました。
「今月トータルで6、7件、新規のお客さんの問い合わせがある。急に需要がポーンと増えるというのは今までにない」(信州サーモンを養殖するカワグチの矢花功社長)
急激に増えた新たな需要に対して対応したい気持ちがある一方、簡単ではないと矢花社長は言います。
「コロナで需要が落ちて、稚魚の仕入れをかなり落とした。稚魚を仕入れてから出荷までに3年かかる。魚が欲しいと言われても間に合わない」(矢花社長)
ただ、サーモンの供給不足が続けば、稚魚の数を増やすなどの増産も視野に入れています。
「これをきっかけに信州サーモンを知ってもらい、味を評価してくれるお客さんが増えてくれば、増産するつもりでいます」(矢花社長)
https://news.yahoo.co.jp/articles/56da242947467cde8ed83343f36a45167edfba87