日本初「食べられる培養肉」 東京大学と食品メーカーが作成
2022年3月31日 17時39分
肉の細胞を培養して新たな肉を生み出す「培養肉」について、東京大学と食品メーカーの研究グループが、実際に人が食べても大丈夫な素材と技術を使って牛肉から「食べられる培養肉」を国内で初めて作り出しました。
この研究は東京大学の竹内昌治教授と「日清食品ホールディングス」などのグループが行いました。
グループでは、牛肉の細胞からステーキ肉を再現する研究を進めていますが、これまでは研究用の素材を使っていたため実際に食べることはできませんでした。
このため食用に対応した培養液などを独自に開発し「食の安全」などの観点から研究の進め方について大学の委員会で審査を受け、食べても大丈夫な牛肉の培養肉を作成したということです。
できた培養肉は、重さが2グラムほどで縦4.5センチ、横2センチ、厚さ1ミリのしゃぶしゃぶ肉のような形をしていて、本物と同じように筋肉の組織が立体的に再現されているということです。
グループによりますと、こうした技術で、食べても大丈夫な培養肉が作られたのは国内では初めてだということです。
29日に東京大学で試食が行われ、培養肉を湯せんで加熱したあと、研究者たちが何度もかみしめながら味や食感などを確かめました。
日清食品ホールディングスの研究員、古橋麻衣さんは「しっかりとしたかみ応えだった。味はまだ牛肉とは言えないかもしれないが、あっさりとしたうまみ成分がじわっと感じられた」と話していました。
グループでは、3年後には100グラム程度の培養肉のステーキを実現したいとしていて、竹内教授は「培養肉を食べて評価しながら研究を進めることができる環境がようやく整った。将来的には医療や細胞を使ったものづくりにも応用が広がっていくと思う」と話していました。
※略※
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220331/amp/k10013561001000.html