静岡県熱海市で大規模な土石流が発生してから3日で9か月です。
土砂が流れ下った現場近くでは遺族や被災者が集まり犠牲者を悼んで黙とうをささげました。

去年7月3日、熱海市伊豆山地区で発生した大規模な土石流の被害では、これまでに災害関連死も含めて27人が亡くなり、今も太田和子さんの行方がわかっていません。

発生から9か月となる3日、遺族や被災者などおよそ15人が、土石流が流れ下った現場近くに集まりました。

そして、慰霊のために設置した小さな台の前で一人一人が順番に線香を手向けて静かに手を合わせたあと、消防に最初の通報があった午前10時半ごろに全員で黙とうをささげました。

「被害者の会」の会長で亡くなった瀬下陽子さんの長男の瀬下雄史さん(54)は「現場をみるとやはりつらいです。何か月たったからといって気持ちが変わることはなく、思い出すたびに苦しい時間を過ごさなければなりません」と述べました。

そのうえで、遺族や被災者など合わせて84人が盛り土を造成した不動産会社の元代表や今の土地所有者などに対して、57億円余りの賠償を求めている裁判が来月18日から始まることについて、「土石流の発生についての原因の究明が進み、責任の所在が明らかになってほしいです。最終的には再発防止につなげたい」と話していました。

https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220403/k10013565161000.html