無断伐採の防止、有効策見えず 三保松原「陸前高田の松」被害 監視難しく

 国指定の名勝で富士山世界文化遺産の構成資産でもある三保松原で3月12日から13日までの間に、東日本大震災で被災した岩手県陸前高田市のNPO法人から寄贈された「陸前高田の松」が無断伐採された。震災から11年を迎えた「3・11」の直後、何者かの心ない行為により、被災地との「友好の証し」として育ててきた松を失った関係者の衝撃は大きいが、再発防止への有効な手だては見つかっていない。


 陸前高田の松の無断伐採が発覚したのは、同月13日午前9時35分ごろ。三保松原の清水三保海浜公園で道路清掃などに協力している市民団体「三保つるの会」の会員が公園内に捨てられた松の木を目にとめ不審に思って周囲を捜索したところ、切り株だけになった陸前高田の松を見つけた。市から被害届を受けた清水署が、容疑を器物損壊から文化財保護法違反に切り替え、捜査している。 

 ■衝撃と憤りの声
 松原を管理する市の施設「三保松原文化創造センターみほしるべ」には被害に憤る声が届いている。東北地方出身の市民からは「すごく悲しかった。自分の腕を切られたような思いだ」と悲しむ声が寄せられた。松原保全活動に協力するボランティアや寄贈元のNPOだけではなく、多くの人々に悲しみが広がっている。
 三保松原は文化財保護法で規定されている国指定の名勝地。今年は1922年に日本初の名勝の一つに指定されて100年の記念年だ。三保松原のどの松も文化財であり、無断伐採は許されない。
 三保松原と合わせ「日本三大松原」と称される気比の松原(福井県)、虹の松原(佐賀県)でも松が無断で伐採されるような被害は類例がなく、今回の名勝に対する人為的な破壊は深刻な事態だ。

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https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/1049300.html


静岡 三保松原 陸前高田の松切断 “震災忘れないで”再寄贈へ
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220406/amp/k10013569341000.html

陸前高田から贈られた松 無断で伐採 三保松原、清水署が捜査
https://www.at-s.com/sp/news/article/shizuoka/1040255.html