岩手県釜石市の平田漁港で、イワシの大群が押し寄せる現象が続いている。岸壁のすぐ近くで群れを成して泳いでおり、多くの地元住民が連日、釣り糸を垂らす。岩手県水産技術センター(釜石市)によると、日本近海を流れる冷たい親潮の勢いが強まり、暖かい釜石湾内に迷い込んだと推測される。こうした海況は続きそうで、もうしばらくは珍しい光景が見られるという。

【写真】イワシを狙い、漁港から糸を垂らす釣り人

■サカナがぎゅっ、釣り人ぎょっ

 「どんどん釣れるから楽しい。唐揚げにして夕飯に食べたい」。6日午前、祖父と釣りをしていた地元の平田小5年石田逞夢君(10)が声を弾ませた。

 春休み中のイワシ釣りは4回目。「たくさんいるから網でも捕れた。こんな光景を見たのは今年が初めて」と驚いた様子だった。

 住民によると、イワシの群れが現れたのは3月下旬ごろ。下平田川の河口や係留中の船の近くに群れができやすく、お年寄りや家族連れが体長15〜20センチのイワシを釣り上げている。

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