米国内便で周囲にかみつくなどの疑い、約1000万円の罰金 米で過去最高額


アメリカでは新型コロナウイルスの感染拡大以降、飛行機の乗客による相次ぐ迷惑行為や暴力行為が問題となっている。米政府は8日、乗務員や周りの乗客にかみつくなどしたとして、国内便の乗客2人に過去最高額の罰金が科せられたと発表した。

感染対策のマスク着用に反発する乗客が乗務員に暴行するなどの事件件数がアメリカで過去最多になる中、ピート・ブタジェッジ運輸相は乗客2人への高額罰金を発表した。1人は8万1950ドル(約1020万円)、 もう1人は7万7272ドル(約960万円)の罰金を科せられたという。いずれも、感染対策に違反した行為とは無関係という。

過去最高額の罰金につながった2件のうち、1件はテキサス発ノースカロライナ行きのアメリカン航空機内で発生。機内の通路に倒れこんだ乗客を乗務員が助けようとすると、この女性乗客は乗務員を押して、客室の扉を開こうとした。複数の乗務員に制止されると、乗客は乗務員1人の頭を繰り返し殴ったという。FAAによるとこの乗客は、手錠をかけられると「乗務員や他の乗客につばを吐き、頭突きをし、かみつき、蹴ろうとした」という。この乗客への罰金は、8万1950ドル。

もう1件は、ラスヴェガス発アトランタ行きのデルタ航空内で起きた。ここでは女性乗客が「隣に座っていた乗客を抱きしめ、くちづけしようとした後、機内前方まで歩き、フライト中だったにもかかわらず降機しようとした。その後も、自分の席に戻ろうとせず、別の乗客を複数回かんだ」と、FAAは明らかにした。この乗客への罰金は、7万7272ドル。
https://www.bbc.com/japanese/61048811