シワ・たるみ取りに人気、超音波機器「ハイフ」での事故多発…顔面まひなどの報告も
顔のシワやたるみなどをとるため、超音波を照射するHIFU(ハイフ)という機器を使った
事故が相次いでいる。本来は医師が治療に使う医療機器だが、エステサロンの施術でも
使われ、近年は「セルフハイフ」と称して機器を顧客自身に使わせる店も登場している。
こうした使い方は違法の疑いもあり、消費者庁や国民生活センターなどが注意を呼びかけている。
「照射する深さをピンポイントで設定し、特定の部位を狙い撃ちできるため、1回の治療で
効果が出る」。東京都目黒区の「五本木クリニック」院長の桑満(くわみつ)おさむさん(61)は
ハイフの利点をそう語る。
クリニックには泌尿器科とともに美容外科もあり、ハイフを2台設置。全額自己負担の
治療費は1回数十万円に上るが、美容に関心の高い女性だけでなく、取引先に好印象を
与えたいとして、経営者の男性らも多く来院しているという。
ただ、過去に別の医療機関であごの神経を損傷する事故が起きたため、特定の神経への
使用は控えているといい、桑満さんは「医療機関でも使い方を間違えれば事故が起きる。
医学的な専門知識のない所での施術や利用は危険だ」と警鐘を鳴らす。
実際、消費者庁の「事故情報データバンク」には2015年1月から21年6月まで、
ハイフによる事故報告が計77件寄せられている。内訳は「顔面の一部にまひが残った」
といった神経や感覚の障害が10件、
「あごに赤茶色のシミのような痕ができた」というような皮膚障害が14件、やけどが33件など。
美容外科などの医療機関でも17件の事故が起きていたが、エステ店での事故は
その3倍超の53件に上った。「セルフハイフ」での事故も7件あった。
同庁によると、データバンクに報告されない被害もあるため、さらに多くの事故が起きている
可能性もあるという。
https://news.yahoo.co.jp/articles/b5d4b5ef29d273f99c8799f02ca9feca17b62835