“移植難しい”異なる血液型での世界初の生体肺移植 京大発表
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20220412/k10013579601000.html
重い肺の病気の患者に、移植が難しいとされてきた異なる血液型の人の肺を移植する世界初の生体肺移植を行ったと京都大学医学部附属病院が発表しました。病院は「家族と血液型が一致せずこれまで多くの患者が亡くなっていたが今回の成功は患者を救える新しい光になるだろう」としています。
これは京都大学医学部附属病院と日本移植学会が12日にオンラインで会見を開いて発表しました。
“移植難しい”異なる血液型での世界初の生体肺移植 京大発表
2022年4月12日 22時10分
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重い肺の病気の患者に、移植が難しいとされてきた異なる血液型の人の肺を移植する世界初の生体肺移植を行ったと京都大学医学部附属病院が発表しました。病院は「家族と血液型が一致せずこれまで多くの患者が亡くなっていたが今回の成功は患者を救える新しい光になるだろう」としています。
これは京都大学医学部附属病院と日本移植学会が12日にオンラインで会見を開いて発表しました。
移植を受けたのは関東地方に住む血液型がO型の10代の女性患者で、ことし2月、B型の父親とO型の母親からそれぞれ提供を受けた肺の一部が移植されました。
女性はおよそ3年前に肺の難病を患い、去年9月ごろには人工呼吸器が必要なほどに容体が悪化していましたが、手術後は自力で歩けるほどまで順調に回復し、11日に退院したということです。
血液型が異なる生体肺移植では、拒絶反応や外気を肺に入れることによる感染症が起きやすいため、一部の血液型の組み合わせを除いては難しいとされてきました。
今回、病院はあらかじめ患者に免疫抑制剤を投与したうえでB型に反応する抗体を取り除く処置などをして世界初となる移植を行ったということです。
呼吸器外科の伊達洋至教授は「家族と血液型が一致せず、これまで多くの患者が亡くなっていた。今回の移植の成功は、脳死移植を待てず生体肺移植もできない患者を救う新しい光になるだろう」と話していました。