ロシア軍のウクライナ攻撃「戦争犯罪にあたる」 OSCE報告書
2022/4/14 07:48(最終更新 4/14 09:32)

 欧州の安全保障に関する国際機関である全欧安保協力機構(OSCE)の専門家グループは13日、ロシア軍によるウクライナへの攻撃が「戦争犯罪にあたる」と認定する暫定報告書を発表した。

 報告書の対象は、侵攻が始まった2月24日から4月1日までの事案。「ロシアが国際人道法の義務を尊重していれば、これほど多くの民間人死傷者が出ることはなかった」と指摘し、「調査した事案の多くで露軍による違法行為が確認された」と断定した。

 具体的には、3月9日の南東部マリウポリの産科小児科病院への空爆について「攻撃時に病院だと識別可能だった」と指摘し、病院を意図的に狙った攻撃だった可能性に言及した。事前に警告がなかったことなどから戦争犯罪に当たると主張した。

 同16日のマリウポリの劇場への空爆も「明らかに子供が収容され、多くの民間人が避難していた」ことから、重大な人道法違反の可能性が高いと判断。マリウポリを拠点とするウクライナ政府傘下の戦闘部隊「アゾフ大隊」による爆破だとするロシア側の主張は「事実だと証明する情報が一切ない」と退けた。

 報告書は、人命尊重や拷問の禁止など基本的な人権を侵害する行為がロシア軍の侵攻した地域で起きたと認定。露軍がウクライナの首都キーウ(キエフ)近郊のブチャなどで民間人を殺害したとの情報は調査終了後に寄せられたが「確認されれば重大な戦争犯罪だ」と指摘した。

 OSCEは、欧米やロシアなど50カ国以上が参加する安全保障協力のための国際機関。



https://mainichi.jp/articles/20220414/k00/00m/030/020000c