ノビチョク
ロシア語:Новичо́к
英語:Novichok,
意味は「新参者」
ソビエト連邦とロシア連邦が1971年から1993年に開発した神経剤の一種である。
この神経剤を開発したロシアの科学者は、VXガスと比べて5倍から8倍、ソマンの10倍以上の致死性があると主張している。
これらはソビエト社会主義共和国連邦のコードネーム「フォリアント」計画の一部である。
5種類の異なるノビチョクは、軍事用に兵器化されているとされている。最も用途が広いものはA-232(ノビチョク5)である。
ノビチョクが戦場で用いられたことはない。
イギリスの首相テリーザ・メイは2018年3月、イングランドにおけるロシアの元スパイ毒殺事件に使用されたと発表した。
ロシア連邦当局はノビチョクの生産や研究を否定している。
これら製剤は、以下の4つの目標を達成するために設計された。
・北大西洋条約機構(NATO)の1970年代から1980年代の標準的な化学物質検出装置で検出できないこと。
・NATOの化学防護を突破すること。
・安全に取り扱えること。
・化学兵器禁止条約により規制された前駆物質(前駆体)のリストを回避できる化学物質であること。
これら目標は全て達成されたとされる。
これら製剤のいくつかはバイナリー兵器であり、使用直前に神経剤の前駆物質を特殊な器具で混ぜることにより生成する。
前駆物質は、一般的に生成後の薬剤より危険性がかなり低いため持ち運びや取り扱いを容易にする。
さらに、薬剤の前駆体は通常、薬剤自体よりも安定性が高いため、使用期限を延ばすことが可能となった。
一方、誤った調合により適切でない薬剤を生成しうる欠点もある。
1980年代から1990年代には、ソ連はいくつかのバイナリー兵器を開発し、「ノビチョク」剤として指定されている。