「M-1」というものは、笑いじゃないような気がします。なんやろうな。

――笑いじゃない。

上沼 面白いとか、もう腹抱えて笑うわというような漫才じゃないような気がするんですよ。まあ言うたら、来年テレビかラジオが増えるわっていう登竜門なんですかね。昔『スター誕生』ってありましたけど、お笑いもそんなようなかたちになってきて。

 面白いとか、思わず吹き出す笑いというものでなく、全部知った体でみなさん観てますよね。それはもうマニアだから「この人たちを支持するんだね」というような、お笑いが何かの「意思表明」みたいになってる。

 私はそこにぽつんと置かれてるので、ただ普通に観ているんですけれども。あの、敗者復活で上がってきた子いるでしょう。ドラマに出てる子。

――ハライチですか?

上沼 ああ、ハライチ。面白かったと思います。初めて観たんですよ。ドラマではよく観る人やなと思ったけど、この人面白いんだ、と思いました。ただ、すごいいいなと思ったのに、他の方が辛い点だったので。「え、なんで?」って私言ってしまった。それはね、みんなも思ってるんですよ。でもああいう漫才には点を入れてはいけないんだと、そういう掟みたいなのは感じました。

https://news.yahoo.co.jp/articles/606c22b8e87963d73a848f439dee6e35826a580f