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コロナ禍で結婚相談所に若い世代が…97年、98年生まれの入会者が増えた理由

コロナ禍に入って3年目となった今春の入社式。多くの企業では、かつてのような対面式の式典が開かれたが、この2年、入社式はもちろん、研修もオンラインを余儀なくされた若手社員は苦労も多かったに違いない

 今、10代から20代前半までの「Z世代」と呼ばれる若者は、コロナ禍で学生生活や新入社員生活を奪われた。結婚相談所には心の隙間を埋める¢且閧求めてか、20代前半の入会者が増えているという。婚活アドバイザーで「マリーミー」(東京)の植草美幸代表がこう言う。

「今、コロナ禍入社1年目の平成9(1997)年生まれ、2年目の平成10(98)年生まれの社会人の会員さんが増えています。とくに女性が多い。彼女たちは入社直後から9〜18時はワンルームでリモートワークをこなし、その後にスーパーに出掛ける毎日。誰かと気楽に雑談もできない生活に嫌気が差し、『ふと、結婚しようと思った』と答えていたのが印象的でした。

 丸の内でランチしたり、合コンしたりする前にオフィスは売却。愛社精神は薄れ、会社からは年に数回の出社で良いと通告される。仕事には『喜びや悔しさ、意義を感じない』と言いますね。仕事が軌道に乗るまでに5〜10年は必要ですが、彼女らは仕事を確立する前にリモートワークでしたから、せめてプライベートでは安心できる家庭(居場所)を作りたいと考えるのでしょう」

大学在学中に入会し、卒業と同時に結婚したいというニーズも
「マリーミー」(東京)の植草美幸代表(提供写真)

 会員になった23歳の公認会計士の女性は、有名大学3年生で資格を取得し、卒業後は海外留学を目指していた。しかし、コロナ禍で渡航延期となり、都内の会計事務所に就職したものの、すぐにリモートワークになった。

「彼女はコロナが落ち着いてから留学し、再就職をしていたら適齢期が過ぎてしまうと留学を断念したそうです。仕事よりも結婚して誰かと安らげる日々が過ごしたいと話していましたが、『婚期を逃したくない』と入会するケースが目立ちます。学生時代に人と触れ合う機会が減った不安からなのか、大学在学中に入会し、卒業と同時に結婚したいというニーズも少なくありません」
 未婚男女のマーケティング研究機関「恋愛婚活ラボ」が、22年4月の法改正で「成人」となった「18〜20歳の男女」(331人)を対象に「恋愛・結婚に関する意識調査」を行ったところ、9割が「結婚したい」と回答。挙げられていたのが「孤独は嫌だ」という理由だ。

 結婚相手紹介サービスのオーネットの「コロナ禍における20代30代独身男女の結婚に関する意識調査」(20年6月)でも、20〜24歳の女性の37.1%が「結婚に対する意識が高まった」と答えている。

 コロナ禍は、少なからず若者の結婚観にも影響与えたようだ。