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https://www.nippon.com/ja/japan-topics/g02109/
実を言うと、年配のロシア人には、米国陰謀論者が多い。
彼らは、どこかの国の要人が殺されると、自動的に「米国がやったのでは?」と疑ってしまう。
なぜ、そうなのか。これはソ連時代の学校教育で、「私たちの国は悪の資本主義を打倒するために建国された」
「具体的には、資本主義の総本山米国を打倒するのが使命だ」と洗脳されたからだ。
プーチンの場合、KGBで教育を受けたため、洗脳はさらに深い。「諸悪の根源は米国だ」と信じて疑わないように見える。
そうした「反米メガネ」をかけたプーチンには、世界がそう見えるのだろう。
プーチンは2003年のジョージア革命、04年のウクライナ革命、05年のキルギス革命、14年のウクライナ革命は、
全て「米国の仕業」と確信している。
そして、米国がNATO不拡大の約束を破ったことに憤り続けている。90年2月9日、旧ソ連のゴルバチョフ大統領との会談で
米国のベーカー国務長官は、以下のように語った。
「もし米国がNATOの枠組みでドイツでのプレゼンスを維持するなら、NATOの管轄権もしくは軍事的プレゼンスは
1インチたりとも東方に拡大しない」
プーチンは、しばしば「米国はNATOを東方に拡大しないと約束した」と主張する。「米国がウソをついた」と。
実際、冷戦崩壊時、16カ国だった「反ロシア軍事同盟」であるNATO加盟国は、現在30カ国まで増えている。
しかも「旧ソ連」、つまりプーチンから見ると「元自国領」のバルト3国もNATOに加盟した。
さらに、米国は旧ソ連のウクライナ、ジョージアも加盟させようとしている。これが今回のウクライナ侵攻の口実になった。
ソ連はロシア人にとって、「拡大ロシア」だった。それで、旧ソ連諸国について、いまだに「自分たちの土地」という意識が強い。
例えば、年配の人は旧ソ連産の食料品について「エータ ナッシ プラドゥクティ」などと言う。「これは私たちの食品だ」という意味だが、
転じて「国産」という意味になる。実際は31年前に独立を果たした国の「外国産」なのだが、少なからぬ年配者の思考回路はソ連崩壊前で止まっているのだ。
69歳であるプーチンの脳も、ソ連時代のままのようにも見える。ちなみに彼は携帯電話、ネット、メールを使わないと公言している。
文字通り、プーチンの「時代」は、ソ連崩壊前で止まっているのだ。
問題は他の国の時間は動いているということだ。ウクライナやジョージアは、すでに31年間、独立国家の道を歩み、
自国の進むべき道を自分で選ぶ権利がある。
しかし、「ソ連脳」のプーチンは、そのことを容認できず、ウクライナ侵攻を断行。国内で反戦デモが盛り上がると、容赦なく弾圧した。