ウクライナから避難のペット犬検疫で特例 農水省が発表
2022/4/18 17:43
農林水産省は18日、ロシアによるウクライナ侵攻を受けて来日した避難民が連れてきた犬について、狂犬病予防法に基づく防疫体制を一部見直し、特例措置を行うと発表した。ウクライナ政府の現状を踏まえ、必要な出国地政府発行の防疫書類がなくても、予防状態を確認後に条件付きで動物検疫所での係留措置を短縮できる「特別の事情」にあたると判断した。
ウクライナ避難民の愛犬をめぐっては一部メディアが、避難民が係留期間中の管理費用を賄えず、動物検疫所から代行費用が負担ができなければ殺処分になるとのメールを受け取ったと伝えていた。農水省は「そうしたメールを発信していない」と否定。該当する避難民の犬についても、今回の措置で血液検査結果に問題がなければ連れて帰れるとしている。
決定は15日付。「特別の事情」は災害救助犬などに適用しているが、今回、ウクライナから避難民が連れてきた犬にも適用する。同省によると、3月26日〜4月9日の間に4件5頭の犬が来日したが、政府発行書類がないなどの理由で動物検疫所で係留中だ。
犬の場合、狂犬病ワクチンの2回接種とその後の抗体検査から180日以上の待機、マイクロチップでの個体識別が必要だ。待機期間不足の場合は、不足する日数だけ動物検疫所で係留され、この間の餌代や管理費用は所有者(飼い主)の負担が義務付けられる。
今回はウクライナ避難民の犬を対象に、ワクチン2回接種歴と血液検査で基準値以上の抗体価が確認できれば、飼い主の滞在先に同行できる。待機期間に満たない場合は、1日2回の健康観察や動物検査所への週1回の報告などへの同意を求める。
https://www.sankei.com/article/20220418-ZYWOYBN57BNFNK73BFGFLXH3EQ/