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2022/04/21(木) 10:50:58.04ID:xluZiy6Q0坂本 英二 (日本経済新聞社編集委員兼論説委員)
森友、加計両学園や自衛隊の日報などの問題をめぐり「政と官」の関係が再び問われている。福田康夫元首相は小泉内閣の官房長官として行政資料の保管・活用の旗を振り、首相就任後には公文書管理法の制定に道筋をつけた。会場からの質問は相次ぐ失態をどう見るかに集中した。
なぜ公文書の管理が大切か。
「記録を残すのは、大げさに言えば歴史を積み上げている。その石垣は一つ一つがちゃんとした石じゃないと困る。正確な文書を積んでくださいということです」
「改ざんだとか資料が無いというようなことは当初考えてなかった。あり得るのかと思いました」
公文書管理法に罰則は必要か。
「罰則規定を入れると文書を作らないんじゃないかと危惧して入れなかった。罰則で縛るよりも、一人ひとりの公務員が『この記録は残さないといけない』と思ってくれることの方がはるかに価値がある」
福田氏は公務員採用時の研修強化や、行政で何が起きたかを伝えるメディアの重要性に言及した。
記者泣かせの「福田節」はいまも健在だった。行政が国民から信頼を得ていくには政治のリーダーシップが大事だと強調しつつ、安倍晋三首相や麻生太郎副総理・財務相への直接の批判にならないように慎重で穏当な言い回しを続けた。
予定時間の終わりが近づくと「現状に怒ってはいないんですか」との直球の質問が出た。
「私の家内ほどは怒ってない」と笑いを誘ってかわす回答に、司会者がすかさず「奥様はどういう風に怒っていらっしゃるんですか」と再質問。福田氏は少し考えてから答えた。「悲憤慷慨してますよ」
情報公開の先進国である米国に少しでも近づけたいと、自ら積極的に取り組んだ公文書管理制度。当時は思いもしなかった不祥事の続出を残念に思う心情が伝わってきた。