ロシア国防省は20日、開発を進めていた次世代の重量級大陸間弾道ミサイル（ICBM）
「サルマト」の初の発射実験に成功したと発表した。
ウクライナ侵攻を批判し、対ロ制裁を強める米欧をけん制する狙いとみられ、
ロシアのプーチン大統領は「われわれを脅す者に再考を迫るだろう」と述べた。
　ロシア国防省によると、サルマトは核を含めた多種の弾頭が搭載可能。
世界最長の射程を誇り、従来想定していた北極経由だけでなく、南極経由でも目標を攻撃でき、
米国のミサイル防衛（MD）網では迎撃できないという。
プーチン氏は「世界に例のないものだ」と評価した。
　ミサイルは北西部アルハンゲリスク州のプレセツク宇宙基地から発射され、
演習用弾頭は極東カムチャツカ半島の目標地点に着弾したとされる。
今後実戦配備され、既存のICBMを更新していくとみられる。
　米国防総省のカービー報道官は20日、ロシアが発射実験を行ったことを受けて声明を出し、
「米国や同盟国への脅威ではない」と強調した。
カービー氏によると、ロシアは新戦略兵器削減条約（新START）に基づいて実験の計画を通告していたという。
さらに「このような実験は日常的に行われており、驚きはない」としている。

https://www.tokyo-np.co.jp/article/173016