資産家イーロン・マスク氏はツイッター買収資金として、465億ドル(約5兆9700億円)を確保したと言うが、その3分の2以上は自己資金もしくはテスラ株を担保とした借り入れに頼ることになる。
21日の米証券取引委員会(SEC)への届け出は、モルガン・スタンレーなど金融機関からのデットファイナンス255億ドルについて説明している。マスク氏が保有するテスラ株を担保とするマージンローンや、マスク氏自身が提供するエクイティファイナンス210億ドルについても説明がある。
マスク氏、ツイッター買収で株式公開買い付けを検討 (1)
マスク氏が保有する現金と流動性資産は、ツイッター株9.1%の購入に26億ドルを費やした後、現在では約30億ドルとブルームバーグは推計。その他の資産は約1840億ドル相当のテスラ株や、スペース・エクスプロレーション・テクノロジーズの持ち分に拘束されている。
大きな疑問は、マスク氏がツイッター買収のために自身が保有する優良企業の株式を一部売りに出すことを検討するかどうかだ。
マスク氏はデットファイナンスの一環である125億ドルのマージンローンを確保するために、テスラ株約5870万株を差し出す必要があり、これを加えた合計は保有株の85%に相当する。マージンローンについての文書によれば、マスク氏はそれ以外のテスラ株を売却することを許されている。
そうした株式の価値は250億ドルを超えており、その大部分を売却して保有現金と合わせれば、税引き後でエクイティファイナンスの210億ドルを賄うに足りる額になる。
マスク氏は一方で、エクイティファイナンスに貢献してくれるパートナーを見つけることも可能だろう。しかし一つだけ確実に言えるのは、同氏がツイッター買収資金をどう調達するかというミステリーはこの日、部分的に解明されたにすぎないということだ。
マスク氏と、同氏のファミリーオフィスを運営するジャレッド・バーチャル氏にコメントを求めたが返信はない。テスラ株はこの日の米市場で一時12%高となったが、ニューヨーク時間午前10時24分現在、8.2%高で推移している。
マスク氏、巨額ローンやテスラ株大量売却必要に−ツイッター買収なら
原題:Musk’s Twitter Financing Plan Raises Questions About Tesla Stake(抜粋)
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2022-04-21/RAP2N6T0AFB401