【ベテラン記者コラム(284)】ロッテ・佐々木朗希がいまの阪神を相手に登板したらどうなる?
プロ野球・ロッテの佐々木朗希投手がオリックス戦で完全試合を達成した翌日、大阪本社の編集局に読者からえらい剣幕で電話がかかってきた。
「なんで阪神が1面やないんや! 完全試合だかなんだか知らないけどね、関東の球団のピッチャーのことなんてどうでもいいんや!
もっと、大山がんばれ、みたいな1面を書かんかい!」
筆者は神奈川県出身なので大阪弁を忠実に再現することはできないが、概ね、このような主張であった。
阪神が泥沼の連敗街道を歩んでいたこともあって、大阪で売っているサンケイスポーツも佐々木朗の快挙を1面で報じていたのだ。
大阪にはそういう意見の人もけっこういるのかもしれないが、いまや佐々木朗の投球はニュース番組の冒頭やワイドショーでも話題となり、
米国でも報じられているほどの社会現象。阪神をメインコンテンツとする大阪サンスポだって、8回完全で降板した日本ハム戦での投球も1面で報じた。
そして、大阪での話題は、佐々木朗がいまの阪神を相手に登板したらどうなるの?ということだ。
もうすぐセ・パ交流戦が始まる。佐々木朗が日曜日での登板を続けていけば、5月29日の阪神−ロッテ(甲子園)で登板する可能性があるのだ。
21日現在、チーム打率・220の貧打に苦しみ、3勝19敗1分けでセ・リーグ最下位を独走している阪神は豪腕に立ち向かえるのだろうか。
昨季の交流戦での対戦は5月27日。プロ2度目の先発だった佐々木朗は初めての甲子園のマウンドで5回7安打4失点(自責点3)と苦しんだが、
降板直後に打線が逆転してプロ初勝利が転がり込み、「びっくりしました」とコメントしている。
注目の佐藤輝との初対決は左前打、中飛、申告敬遠で、佐藤輝が3学年上の意地をみせている。
このときの佐々木朗の最速は154キロ。5回で94球を要していた。
今季の佐々木朗は球速160キロ超えを連発。完全試合のオリックス戦では九回でも160キロ、続く日本ハム戦では八回に163キロを出していた。
1年前の対戦とはまったく違うだろう。阪神は62年前の1960年8月11日に大洋の島田源太郎投手に完全試合をされたことがあるが、はてして−。
(牧慈)
https://www.sanspo.com/article/20220422-Q57RH427A5PQJHEGTM4KBOQZ2Y/