社会学者・宮台真司氏が公共の電波で語る「性教育」にまっとうな返し 「昔話はほどほどに」
https://dot.asahi.com/dot/2022042700001.html

(前略

娘ほど年の離れた女性に、60代男性は楽しそうに昔を振り返る。

「昔は公園でみんなセックスしてた。それをのぞいている人たちもたくさんいた。僕もセックスしまくって、のぞき見してる人たちと友だちになったりしたんだ」(宮台氏の発言です)

30代女性は驚く。

「そういうの見かけたらイヤだなと思っちゃうかも」(ニキさんの発言です)

60代男性は昔をどんどん思い出すのか、さらにこんなことも言ってしまう。

「昔は、大学のコンパで先生が学生を持ち帰るということも普通にあった。(僕)東大だったけど」(宮台氏の発言です)

30代女性は驚く。

「高校生の頃はマンガでそういうの憧れたけど(略)今は、その関係は権力の乱用ではないのかと考えてしまう」(ニキさんの発言です)

始終まともなニキさんだが、60代男性は昨今の日本の若者を憂えてこうも語る。

「性的な退却が進んでる。最近はピーク時の半分以下しか若者がセックスしていない」(宮台氏によれば1997年がピークだという)

30代女性は冷静に聞く。

「それは、悪いことなんでしょうか?」

パーソナリティーのニキさんはゲストの宮台氏を否定することなく、「宮台さんに100%は同意できない」という態度を失礼にならない軽やかさで表明し、自分の感覚を率直に語るのである。才能である。

(中略

「代々木忠(AV監督)が描いたように、女性は性愛で失神したり、号泣したり、過呼吸になったり、聞こえない、見えないという状況に誰でもなれる」「女の人はそういう可能性があるのに、それを使えないでそのまま死んじゃうんじゃないかとみんな焦り始める」……で婦人公論に「中イキしないッ」と悲鳴を届ける(←本当なんですか?)というのである。AVで表現されたことがリアルだと思っているんだ……と衝撃を受けてしまう。(ちなみに私は20年以上前、代々木監督をインタビューしたことがあります。性器に頼らずにオーガズムに導く作品を撮っていた代々木監督は、取材中に私の手をとり「感じるよ」というようなことを言いながら指をこすってきました。←同意の上です。でも、なかなか終わらず……感じるフリをしたほうがいいのかな、AVに出演する人は大変だな……と困惑したことを久々に思い出しました)

で、女性のマスターベーションである。「中イキ」の話に対しニキさんが、最近はインスタ映えするバイブが紹介されたり、セルフラブの話をしたりする女性が増えてきた、というような話をしてくれたのだった。男女の性愛にバイブ返しである。すごいな、この人! と感動していたら宮台氏がプチキレ気味な感じでこう言い切っていた。

「(マスターベーションは)自己本位なんだよね。自分に閉ざされている。自分さえよければいいってね。性愛のポイントは相手に入られ、相手に入り、融合する、フュージョンすることだから。外から何か入って、外に入る、のがない状態で性的な幸いがあるというふうに思うのは、すごい偏っていると思います」

いやー、TBSラジオ、すごいです。ここまで偏った考えや、確かかどうかわからない情報を言い切って放送する自由な空気、すごい。出演者に合わせて、公園でみんながセックスしていていろいろなんでもありだった80年代バージョンに合わせたのでしょうか。

ちなみに宮台氏が言うには、日本の性愛がダメになったのは、セックスに不安を与え脅す保守派と、セックスを被害と加害の図式で捉える#MeTooのせいだそうです。その結果、性愛を知らずに年をとり「30代後半になって市場での賞味期限が来た」(宮台氏の言葉です)女性たちが、「女性用風俗に殺到するという現象がコロナ禍以降起きている」のだそうです。研究者が根拠も示さず言いきるレベルを超えてます。ここまでくると私はかなり笑いました。というか、宮台氏の話をまともに受ければ、日本の若者がセックスしなくなったのは私のせい……です。女性用バイブを売り、#MeToo運動に関わってきた私が……日本の性愛を後退させてしまって、ほんとにゴメンナサイね。

(後略