【4月29日 Xinhua News】中国自動車大手、吉利汽車の電気自動車(EV)「幾何C(Geometry C)」がこのほど、イスラエルの有力自動車専門誌オート(Auto)の「今年最も購入された車」に選ばれた。同誌が昨年12月に行ったEVの航続距離の比較でも、幾何Cは業界と消費者から高い評価を得ている。
同社現地法人のロン・ヤブロン(Ronn Yablon)最高経営責任者(CEO)は「(同国で販売を始めた)5カ月前、イスラエルで幾何Cを知る人はいなかった。それから5カ月足らずで8千台以上を受注した」と語った。
イスラエルはここ数年、グリーン(環境配慮型)エネルギーの使用を積極的に推進している。同国エネルギー省が2018年に策定した燃料車代替計画によると、30年からガソリン車とディーゼル車の輸入を全面的に禁止し、輸入を認めるのはEVと天然ガス自動車のみになる。こうした背景の下、同国政府は現在、さまざまな手段を通じてEVの輸入と販売を促進している。
現地経済紙カルカリストの自動車コラムニスト、トメル・ハダル(Tomel Hadar)氏は中国製EVについて、価格面の優位性があるだけでなく、技術水準が高く、航続距離も優れていると指摘。「イスラエル人は本当に中国車が好きだ」と語った。
ヤブロン氏は、イスラエルの人々にとってガソリン車やディーゼル車でなじみのあるのは欧米や日韓の車だが、EVでは「中国ブランドに多くの優位性がある。中国より経験のある国はない」と述べた。同氏によると、イスラエルの今年第1四半期(1~3月)のEV納車台数のうち吉利汽車の割合は約15%に上り、米テスラに次ぐ2位に躍進した。
中国第一汽車集団の高級車ブランド「紅旗」もイスラエルの経済・自動車メディアをにぎわせている。今月初め、テルアビブで純電動スポーツタイプ多目的車(SUV)「E-HS9」の販売を開始。これにより、イスラエルはノルウェーに次いで、紅旗ブランドが進出した2番目の先進国となった。
イスラエルの街中では、広州汽車集団や上海汽車集団、比亜迪(BYD)など中国の十数の新エネルギー車(NEV)ブランドを目にすることができる。ハダル氏によると、業界では今年の同国のEV販売は1万5千~2万台に上り、うち半数以上を中国製が占めると予想。イスラエルに進出する中国のEVブランドは今後2~3年、引き続き増加するとの見方を示している。(c)Xinhua News/AFPBB News
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