新潟・燕の中学女子転落死 第三者委「理由は不明」と報告
2022/4/29 16:54

 新潟県燕市立吉田中学校で昨年11月に女子生徒が校舎から転落死し、いじめを訴える遺書が見つかった問題で、第三者で構成する「いじめ防止対策等専門委員会」は28日、報告書を同市教育委員会に提出し、公表した。転落死を自殺と断定した上で、女子生徒がいじめと捉えた可能性のある事象はあったものの、自殺した理由は「不明」と結論付けた。

 女子生徒は昨年11月9日、同校敷地内に倒れているところを発見された。校舎3階のテラスから飛び降りたとみられ、自宅には「いじめられてた」と書き置きが残されていた。市は教育分野の専門家や医師、弁護士ら6人の第三者委を設置。7回にわたり会合を開くなど、死亡といじめとの因果関係の有無を調査した。

 報告書は約150ページに及び、この日は概要版7ページが公表された。

 それによると、女子生徒の学校生活に関するアンケートの回答、SNS上でのやりとりなどを確認した結果、「いじめられてた」との書き置きに該当するような事象は確認できなかったという。

 また、書き置きには、いじめられた相手の名前はなく恨みや苦しみも読み取れず、友人に対する思いやりのある別れの言葉と受け取れる表現もあったとし、「優しい」「正義感が強い」「何事にも一生懸命」といった女子生徒の性格が背景にあったのではないかと指摘した。

 一方、複数の生徒が6月と9月に「陰口を言った」と証言したことを明記。女子生徒がいじめと受け止めた可能性は否定できないとした上で、その後の生活態度などから「自殺と結び付けることはできなかった」とした。

 こうした調査結果から、女子生徒が自殺した理由は「不明である」と結論付けた。

※略※

https://mainichi.jp/articles/20220429/k00/00m/040/121000c